ショクダイオオコンニャクとは?世界最大の花が臭い理由と2026年開花情報

この夏、日本のあちこちの植物園で、ちょっと変わった「事件」が起きていた。

世界最大級の花を咲かせる植物、ショクダイオオコンニャクが、茨城と宮崎でほぼ同時期に開花したのだ。

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世界最大の「花」って、どれくらい大きいのか

ショクダイオオコンニャクは、東南アジア・スマトラ島の熱帯雨林原産のサトイモ科の植物。普段は地下の球茎(イモ)から大きな葉を1枚だけ出し、何年もかけて栄養を蓄える。そして満を持して花を咲かせるとき、突如として人の背丈をゆうに超える巨大な花序が姿を現す。

茨城県つくば市の国立科学博物館筑波実験植物園では7月下旬に開花し、多くの来園者が駆けつけた。そして宮崎市の宮交ボタニックガーデン青島でも8月12日に開花。こちらの株は2016年から育てられてきたもので、開花は2年ぶり2回目。花芽が確認されたのは7月下旬で、そこからおよそ2週間、全長211センチまで一気に成長したという。

花びらのように見える部分は、実は「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる特殊な葉。これがマントのように大きく開いて、内部の本当の花を包み込む構造になっている。

なぜ「くさい」のか

この植物、通称「コープスフラワー(死体花)」とも呼ばれる。理由は単純で、開花時に生ゴミや腐った魚のような強烈な臭いを放つからだ。

これは決して欠陥ではなく、れっきとした戦略。スマトラの熱帯雨林でこの花の受粉を担うのは、蜂や蝶ではなく、死骸に群がるハエやシデムシといった昆虫たち。彼らを呼び寄せるために、あえて「腐敗臭」を選んだというわけだ。過去の研究では、花序の中心にある付属体が自ら発熱し、匂いをより遠くまで拡散させていることも分かっている。植物とは思えないほど、したたかな戦術である。

「一生に一度」レベルの希少な瞬間

この花のもう一つの特徴は、開花のサイクルが極めて不規則で予測しづらいこと。数年に一度、しかもいつ咲くか誰にも分からない。そして咲いたとしても、見頃はわずか2〜3日ほどで、あっという間に萎れてしまう。

だからこそ、開花情報が出るとSNSで一気に拡散し、遠方からでも駆けつける人が後を絶たない。宮崎の植物園でも、開花当日の早朝から多くの来園者が訪れ、「珍しい」「想像以上」と口々に驚きの声を上げていたそうだ。

家庭の庭とは真逆の世界だからこそ

正直なところ、ベランダで多肉植物を育てたり、庭でバラの剪定をしたりする日常のガーデニングとは、まったく別次元の話だ。何メートルもの巨大な花、数年に一度の開花、腐敗臭による受粉戦略——スケールも生態もまるで違う。

でも、だからこそ面白い。私たちが普段親しんでいる「花」という概念の、その振れ幅の大きさを教えてくれる存在だと思う。愛らしい一輪の花にときめく日常があるからこそ、こういう規格外の植物のニュースに触れると、植物という生き物全体の懐の深さに改めて驚かされる。

もし今後、近くの植物園で「ショクダイオオコンニャク開花」のニュースを見かけたら、多少の予定変更をしてでも見に行く価値はあるかもしれない。なにしろ、次にいつ咲くかは、植物園の人にも分からないのだから。

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